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洗骨

「洗骨」の風習を通して描かれた家族の絆を描いた感動作
公開
2019/02/09(土)
レイティング
G
監督
照屋年之
出演
奥田瑛二

解説

沖縄の一部離島に残る風習"洗骨"。風葬された死者は骨だけになった頃に縁深きものたちの手により骨をきれいに洗ってもらいこの世に別れを告げることになる。そんな"洗骨"を通じて"家族の再生""生命のバトンタッチ"を描いた今作は海外でも高い評価を獲得。数々の映画祭で上映され、北米最大の日本映画祭・第12回JAPAN CUTSでは観客賞も受賞。笑って泣ける珠玉のヒューマンドラマが満を持してついに公開。

ストーリー

沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む家族、新城家。母・恵美子(筒井真理子)が亡くなったことをきっかけに、島から離れていた息子と娘が帰ってきた。東京の大企業で働く長男の新城剛(筒井道隆)と名古屋で美容師をしている長女・優子(水崎綾女)だ。家族は無事恵美子の葬儀を終えたものの、2人の父・信綱(奥田瑛二)は家族にやめる約束をしていた酒を飲むことで悲しみを忘れようとし、剛はそんな父に愛想を尽かしている。最愛の人にもう一度だけ会うことができる古い風習―"洗骨"―。悲しくも神秘的なその儀式までの長い時間を、新城家の人々はそれぞれの想いを胸に過ごすのであった。母の死からから4年後。洗骨の儀式の為、剛と優子が島に戻ってきた。仕事先の店長と関係を持ち、新しい命をそのお腹に宿して1人戻ってきた優子。そんな優子を、島の人々は悪し様に噂をし、優子の気持ちを更に傷つける。剛は東京から家族を連れてきていない理由を話せず、周囲との会話をはぐらかす。信綱は、今でも恵美子が死んだことを受け入れられず、カーテンを閉め切った暗い部屋で酒浸りの日々を過ごしていた。家族の再会はうまくいかない。優子がシングルマザーとして生きていこうとしている姿を無責任に感じた剛は怒り、兄弟喧嘩を始めるが、信綱にはその喧嘩を止める気力さえ残っていない。何も出来ない自分自身を責めて、信綱はまた酒に逃げてしまう。バラバラの家族の中で、信綱の姉・信子(大島蓉子)だけは、3人それぞれに寄り添いながら、心をほぐそうと尽力するのであった。そんな最中、優子のお腹の中にいる子の父・亮司(鈴木Q太郎)が突然新城家に姿を現す。心を改め優子との結婚を信綱に認めさせようとする亮司であったが、信綱は答えを出せない。父のそんな姿に、剛は更に苛立ちを募らせる。その夜、外で1人酒を飲んで過ごしていた信綱は、泥酔したうえ、頭から割れた瓶に突っ込み血だらけの状態に。信綱は剛と優子の付き添いのもとで病院へ向かう。治療を終えて帰宅しようとする3人は、恵美子が死んでから今まで言えなかったそれぞれの想いをぶつける。溢れ出した想いをぶつけ合った3人は、お互いの本当の気持ちを知ることで、何かが変わり始めるのを感じるのであった。翌朝、朝ごはんの準備をする優子に恵美子の面影を重ねる信綱。朝食を囲む新城家と、前日の事件を知らない亮司は、なんとも言えない朝食を囲む。信綱は娘が作ってくれたご飯を泣きながらかきこみ、そんな父の様子に剛の心も徐々に緩み出す。ある日、新城家の人々と亮司は、スク(小魚)の大群を捕まえる為に海へ。力を合わせてスクの水揚げを成功させることをきっかけに一体感を得る一同。剛は家への帰り道、車の中で妻と離婚したことを打ち明け、その事実を黙っていたことを信綱と優子に素直に謝る。そこには少しずつ自分の姿勢を変えようとしていく剛の姿があった。洗骨の前日、母に会う前に優子に髪を切って欲しい、とお願いする剛。そのとき信綱は、姉の信子に連れられかつて自分が経営していた工場跡を訪れ、現実と向き合うように諭される。夜になり優子に髪を切ってもらう剛は、妹と母への想いを語る。出先から帰ってきた信綱にも髪を切るように勧める剛には、信綱を父として認める素直な姿があった。3人は母の仏壇の前に座り、穏やかな表情で明日の洗骨への想いを寄せる。洗骨当日。島に晴れた空が広がる。新城家の人々それぞれが洗骨の道具を持ち、恵美子が風葬されている場所へ向かう。恵美子の墓がある砂浜へたどり着いた一同は、変わり果てた恵美子の姿に胸を締め付けらながらも、それぞれの想いを託して洗骨を始めていく…。

キャスト

奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、坂本あきら、鈴木Q太郎、筒井真理子


スタッフ

監督:照屋年之

作品データ

製作年
2018年
製作国
日本
配給
ファントム・フィルム
上映時間
111分

[c] 『洗骨』製作委員会

作品情報・予告編 提供:MOVIE WALKER PRESS