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いとみち

「わぁ、三味線弾ぐ。」笑って泣ける、津軽弁少女の青春!
公開
2021/06/25(金)
レイティング
G
監督
横浜聡子
出演
駒井蓮

解説

心を揺さぶる日本のソウルミュージック―津軽三味線がつむぐ珠玉の人間ドラマ。祖母、父と共に三世代で暮らし、家族愛に包まれていた少女が、社会の荒波をたくましく生きる人たちとふれあい、成長する―。脚本・監督は横浜聡子(『俳優 亀岡拓次』)。原作は越谷オサム(『陽だまりの彼女』)のベストセラー青春小説『いとみち』(新潮文庫刊)。新星・駒井蓮と名優・豊川悦司の不器用な親子愛はホロっと胸をうつ。先の見えない時代に生きる市井の人々を、温かなまなざしで描いた感動作。大阪アジアン映画祭グランプリ&観客賞W受賞作品

ストーリー

青森県弘前市の高校。日本史の授業で音読をあてられ、相馬いとはこの世代には珍しく激しい津軽弁で、みんなから笑われる。訛りと人見知りで本当の自分を見せることができず、友人もいない。 いつもの五能線。板柳駅で降りる直前、クラスメイトの早苗に「へばね(じゃあね)」と言われ、うれしさがこみあげるいと。 父は民俗学者。書斎では南方熊楠が並び、ゼミの学生たちが集まって、名もない津軽人の方言録音テープを聞いている。自身は東京出身だが、亡き妻の故郷で義母ハツヱ、一人娘いとと3人で暮らす。 ハツヱは「ママ、けー(ご飯だよ、食べなさい)」と学生たちをもてなし、得意の津軽三味線を披露し賑やか。居間にはいとが中学生の時三味線コンクールで入賞した新聞記事が飾ってある。大股開きで変な顔。いとは恥ずかしくて記事をひったくり仏間に逃げこみ、心を閉ざす。干し餅を手渡し気遣うハツヱ。 亡き母の後ろ姿が縁側に現れ切なさが募る。ハツヱから三味線を一緒に弾こうと誘われるが、「忙すい」とそっけないいと。父からは「対話。お前言葉使うの苦手だから。音で対話する」と気にしていたことを指摘される。 そんなもやもやした日々を過ごすいとが意を決して始めたアルバイト先は、なんとメイドカフェ!五能線と奥羽本線を乗り継ぎ"大都会"青森市へ。珈琲店には、やたら丁寧な店長の工藤、強気なシングルマザーの幸子、漫画家を目指している智美がいた。いとはメイド服はばっちり似合って喜んだものの、キメ台詞が言えない。「お、お、おおんがえりなさいませ、ご、ごすずんさま!」。「……わい、まいねじゃ(ダメだ)」落胆するいとだった。店の慰安旅行で浅虫海岸へ。幸子は娘を連れている。 「あたし中卒で、就職先なんて青森にはねくてさ。あったどしても子供が熱だしたどぎに休ませでくれるところなんてねえ。うぢの店だけだ」。幸子や智美の飾らない本音のことばに、いとはいままで心の奥にしまっていたことを吐露する。ある日、客から尻を触られ転倒するいと。大騒ぎになり、「わあが悪い」と言ってしまう。控室で幸子に「おめ悪ぐねえべ。その考え間違ってる」と厳しくもあったかい言葉をかけられ、涙をこらえながら頷くいとだった。帰宅し、もやもやを吹き飛ばすように三味線を弾く。テレビのニュースでオーナーが逮捕されたことが報じられ驚愕するいと。父は「犯罪者がいる店で、娘働かせる親だなんて何処にいる」といとの心情に気遣うように諭すも、言い返せないいと。「今2020年だぞ。『ご主人様』って、犬じゃあるまいし」とたたみかけると、ようやくいとは「差別主義のインチキ教授」とつぶやいた。じょっぱりな父と娘は家出支度して玄関で出会いハツヱに呆れられる。 珈琲店の廃業の危機に、いとが立ち上がった「三味線弾がせでください」。 店に、山帰りの父が現れた。心をこめてコーヒーを淹れるいと。コーヒーとアップルパイを父のテーブルまで来て、差し出す。無言の二人。耕一が口を開く。「けっぱれ(がんばれ)」。不器用な父と娘の心が通う瞬間だった。店のリニューアルオープン当日。いとのライブ。「津軽あいや節」をたおやかな表情で弾くいとがいた…

キャスト

駒井蓮、豊川悦司、黒川芽以、横田真悠、中島歩、古坂大魔王、宇野祥平、西川洋子


スタッフ

監督:横浜聡子

作品データ

製作年
2021年
製作国
日本
配給
アークエンタテインメント
上映時間
116分

[c] 2021『いとみち』製作委員会

作品情報・予告編 提供:MOVIE WALKER PRESS