AWAKE
それは、どん底から目覚めた僕が見つけた、最高の悦び
- 公開
- 2020/12/25(金)
- レイティング
- 監督
- 山田篤宏
- 出演
- 吉沢亮、若葉竜也
解説
かつて棋士を目指していた英一は、同世代の陸に敗れプロの道を諦めた。ある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。まさに彼が理想とする将棋を繰り出すプログラミングに心を奪われ、人工知能研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野の手ほどきを受けることに。プログラム開発にのめり込み数年後、自ら生み出したプログラムを<AWAKE>と名付け、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。返答に躊躇したが、相手が若手強豪棋士として活躍するかつてのライバル、陸と知り―。
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ストーリー
- 幼少期から将棋に情熱に注いできた英一が奨励会に入会し、将棋会館を初めて訪れたのは12歳のとき。そんな彼に背後から「君、強い?」と声がかかり、「強い相手とやった方が面白いから」という言葉が続く。そのときに、お互いに何かを感じとっていたのかもしれない。そして4ヶ月後、英一は初めて対局した陸から200手を超える長い戦いの末に勝利を奪う。英一に負けた悔しさをバネに本来の才能を開花させていった陸(若葉竜也)とは対照的に、英一(吉沢亮)は一心不乱に将棋盤と向き合うものの、プロを目指して戦う重圧と苦しみが始めたころの楽しさを上回り、徐々に精彩を欠いていく。20歳になったふたりの将棋のレベルには、大きな差ができていた。降格が確定したのを機に、自ら退会を申し出る。その日から英一の生活は一変。21歳でとりあえず大学に入り、年下の同級生たちとぎこちないキャンパスライフをスタートさせるが、ある日、父親の英作(中村まこと)がノートパソコンでやっていたコンピュータ将棋と運命的に遭遇。定跡にとらわれない自由で独創的な指し手を繰り出すのに強い、自身の理想の将棋を実現する人工知能=AIに興味を持ち、再び覚醒するように目を輝かせると、大学の「人工知能研究会」の扉を叩く。そこで変わり者の先輩の磯野達也(落合モトキ)と出会ったことが、英一の人生を大きく変える。磯野にとってコンピュータにほとんど触ったこともなく、自分がやろうとしていることがどれほど大変なことなのかも分からないド素人の英一を初めて部室を訪ねたときは「帰った、帰った」とすぐに追い返そうとしたが、「将棋のプログラムをどうしても作りたい」と真剣な顔で言い切り、口だけではなく、出した課題を次々に完璧にこなしてきた英一の本気度を肌で感じる。そして気づけば、磯野は自分がコンピュータの知識とプログラム開発の技術を一から叩き込んだ英一のAI将棋の夢を応援するようになる。そして、この頃には英一も、自らが産み落とした将棋プログラムに「AWAKE(目が覚める。眠りから起きる。覚醒)」という名前をつけ、"このソフトを強くしたい!"と想いを募らせるようになっていた。最初はもちろん弱く、大学の将棋サークルの学生にあっけなく撃破されたが、最新のプログラムを導入し、改良したAWAKEはどんどん強くなり、やがて「将棋電王トーナメント」で優勝するまでに進化する。「将棋電王トーナメント」を主催していたドワンゴはAWAKEの強さを確信し、プロと最強のコンピュータの対局を生中継する「電王戦」への出場を依頼してきた。だが、英一は「生身の棋士と対戦させるためにAWAKEを作ったんじゃない!俺はただ強くなりたかっただけなんだ」と言って、返答を躊躇する。新たな目的、生きる希望を見い出した英一のそれが本音だったが、東西新聞の記者で奨励会の同期だった中島透(寛一郎)から、多くの棋士が拒んだ「電王戦」への出場をかつてのライバル・陸が引き受けたと聞いて、心が動く。英一も陸がプロ入り1年目で新人王戦優勝に輝き、「天才」と騒がれてはいるものの、プロの世界の洗礼を受けているのは知っていた。「本当は怖かったんだ。もし負けたら、また全部なくなるんじゃないかって」。磯野の妹・栞(馬場ふみか)に英一は初めて自らの複雑な心境を吐露するが、次の瞬間、「だけど、今度のチャンスを逃したら、もう、アイツと一生勝負できないんだって、そう思ったら……堪らなく勝負してみたくなった」とまっすぐ前を向く。こうして、棋士を諦めて別の夢をつかんだ英一と棋士になった陸との宿命の対局の日を迎えることになった……。
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キャスト
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吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、寛一郎、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まこと
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スタッフ
- 監督:山田篤宏
[c] 2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
作品情報・予告編 提供:MOVIE WALKER PRESS