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ストレイ 犬が見た世界

愛と人生を教えてくれた――。犬たちが見つめた、世界の片隅
公開
2022/03/18(金)
レイティング
PG12
監督
エリザベス・ロー
出演
ゼイティン、ナザール、カルタル(犬たち)

解説

殺処分ゼロの国トルコ・イスタンブールの街で暮らす野良犬たち。ここでは風景に溶け込むように、自然に人間と犬が共存生活を送っている。彼らの視点で街を見渡せば、人間社会が持つ様々な問題と愛に満ちた世界が同時に見えてくる。高性能カメラが半年間追いかけた先の、知られざる世界――。犬と人間の絆が感動を呼ぶドキュメンタリー。

ストーリー

トルコ、イスタンブールの街中。車道、マーケット、レストラン、ボスポラス海峡の砂浜…。あらゆる場所を縦横無尽に闊歩する犬たち。その数はかなり多く、社会もそれを自然と受け入れている。車をかわし、渋滞する車道をすり抜ける大型犬、その大型犬をうまく回避するドライバーたち。恋人たちが痴話げんかをするカフェの傍らで、耳を傾けながら横たわる犬。20世紀初頭の野犬駆除への猛省から、トルコの人々は野良犬と共存する道を選んだのだ。【ゼイティンの物語】大型犬が多くいる街中にあって、その存在感をひときわ大きく放っているのが、推定2歳前後のメス犬ゼイティンだ。躯体は筋肉質で毛並みもよく、「強く、美しい」と街中の人々も一目置いている存在だ。時に仲間たちと戯れ、コミュニケーションをとり、人間とも程よい距離感で過ごしている。すべてを見ているような目、すべてを聞いているような耳、すべての匂いを知っているような鼻。彼女はまるでイスタンブールのすべてを知り尽くしているかのように、しかし謙虚にそこに佇む。人々は政治の不満を口にし、恋人への嫉妬をぶつけるが、それをそっと聞いているだけだ。【ナザールの物語】ゼイティンと行動を共にすることの多いナザールも、ゼイティンと同じような躯体の大型犬だ。廃墟となった建設現場の瓦礫のなかで、アレッポからたどり着いたというシリア難民の少年たちと寝床を共にする。少年たちの持ち物である古びた毛布に包まり、その表情は幸せそうだ。少年たちも犬を抱きしめて、幸福そうに夜を過ごしている…。しかし、彼らはその建設現場から出て行けと、管理人から日々脅されているのだった。【カルタルの物語】カルタルは表情の愛くるしい、まだ幼いブチ犬だ。母親犬と兄弟犬と常に一緒に行動しているので、どこか飼い犬のような表情をもっている。世話をしている建設現場の数人の男たちからも一番に愛されている存在だ。彼らは犬たちに日々食事をあげて、お互いに信頼関係も出来あがっている。そんななか、建設現場に住むシリア難民の少年たちが、カルタルを譲ってほしいとお願いにくる。それを断ると少年たちはカルタルを盗み、自分たちの寝床へ連れて帰るのだった。サリという新しい名前をつけて。少年たちは誇らしげにサリを街中に連れ出し、愛おしく見つめる。配給された食事もサリやナザールに優先して与えるのだった。しかしそんな幸福も長くは続かない。建設現場を追いやられた少年たちは路上で寝ていたところを捕まり、サリも同じように連れられてしまう…。犬の社会でも、日々さまざまな出来事が起きるが、彼らは動じることなく、自身に与えられた環境と、その人生を受け入れ、懸命に生きている。イスタンブールから離れた、遺跡のある丘の上でも、ボスポラス海峡の砂浜でも、犬は仲間たちと、あるいは一頭でも、その場所を満喫し、世界を見つめている。 イスタンブールのモスクから流れるアザーン(礼拝を知らせる詠唱)に耳を傾け、それに合わせて遠吠えを繰り返すゼイティン。その姿と声は、神々しさそのものだった――。

キャスト

ゼイティン、ナザール、カルタル(犬たち)


スタッフ

監督:エリザベス・ロー

作品データ

原題
STRAY
製作年
2020年
製作国
アメリカ
配給
トランスフォーマー
上映時間
72分

[c] 2020 THIS WAS ARGOS, LLC

作品情報・予告編 提供:MOVIE WALKER PRESS